【お酒と熱寒】
"目が大きく、その周辺が青く、こめかみなどに静脈が努張して青く見える人は肝の病になりやすい"と言われています。
漢方を勉強なさっている方々でしたら良く御存知の事と思いますが、いわゆる五行学説の望疹の表現です。
肝の病といえば、まず第一に出てくるのが何といってもアルコール、お酒です。
取引先との商談、仕事上の打ち上げ、宴会、・・・わたしたちの生活の中で公私を問わず、それも毎日といって良いほど接触するのがこのお酒です。
体質的に受け付けない場合を除けば好むと好まざるとに関わらずその場面はやってきます。
"医者の不養生"ではありませんが、この新聞をご講読戴いている方の中にも、「解ってるんだけどね・・・」の思いを心に秘めつつ、沢庵つついて、から酒をぐい� �という方がいらっしゃるのではないでしょうか・・せめてお酒を飲むときくらいは好きなものを食べたい。
ごもっともなことですが、このリラックスしたひとときにちょっと注意していただければ、より健康的にお酒を飲むことが可能になるんですね。
どのような場合であっても体が資本であることに変わりはありません。
尿失禁の診断
【居酒屋と熱寒】
"酒は百薬の長"といわれるとおり、精神的緊張の緩和、末梢血行の促進、また薬酒としての活用など、上手に付き合うことによるメリットは少なくありません。
それも、のむ機会が多い方ほどその影響は大きくなります。毎日の積み重ねはばかになりません。
特に居酒屋でなどというときにはどういうわけか、いつも同じようなオーダーのしかたになってしまうという方も多いはず、そうであればなおさらのこと、このひとときに傾けるつまみへの思いは、自分の体に対する愛情であるといっても過言ではありません。
まず、お酒ですが、日本酒を始めとして、ウイスキー、バーボン、ブランデー、ワイン、リキュールなど様々です。
それぞれの基本になる熱寒指数があり一例をあげると大方次のようになります。
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日本酒:+2.0 ウイスキー:+3.0 ブランデー:+3.0 ワイン:+2.0 |
当然の事ですが、アルコール度数や何をベースにして作られたのかなどによりその数値は変わってきます。
次におつまみの内容ですがかつて、居酒屋チェーン"庄や"さんのために"安心メニュー"なるものを作成したことがあります。
自分の健康を考えて戴きたい、良いお酒を飲んで戴きたい、というのがその主旨です。
例えば、 熱証の人 には、
かにサラダ (−152.30) 馬刺し (−132.40) 高麗人参アイスクリーム(−352.80) |
寒証の人 には
坐骨神経痛の神経治療
鷄のから揚げ(509.00) てんぷら盛り合わせ(506.10) 野菜炒め(732.00) インディアンポテト(729.50) |
という感じです。
このときは、血液型なども加味した食志向を考慮したパンフレットを作成致しましたので、興味のある方は庄やさんの方へ出かけてみて下さい。
現代社会から切っても切り離せないお酒との付き合い。
それをより健康的にする努力をする、つまり飲み方はもちろん、おつまみの内容を考慮するということは、健康に対する積極的な姿勢として価値のあることだと思います。
【肝疾患と熱寒】
肝臓病のための食養生に目を向けてみますと、急性肝炎の場合には熱型タイプの献立(寒性の食物が中心)、慢性肝炎の場合には寒型タイプの献立(温性の食物が中心)になる傾向があるようです。
もっとも、慢性の場合であってもその方が熱実型の場合は当然の事ながら大豆(涼)、野菜(特に寒性の物)、海草(寒)、などを主体にした方が良いと思われます。
虚血性の、つまり機能低下としての肝臓病はまた別の意味になります。
この場合は、増血的意味合いの強い治療になるのは御存知のとうりです。
メニュー内容のバランスでいくと比較的熱型になる場合の方が多くなると思います。
代表としてレバニラ炒めなどがありますが、これを熱寒指数で表現してみると、次のようになります。
レバニラいための食材と熱寒計算式
皮膚の胸の重苦しさ胸の痛み下血出血
にら | 55g*(2+2)= | 220 |
レバー | 80g*(1+2)= | 240 |
もやし | 100g*(1+2)= | 300 |
サラダ油 | 10g*(1+2)= | 300 |
合計 | 790 |
注意) ()内の+2は調理方法による補正値です。
また、肝臓病に良いとされている食べ物の四季に応じた代表例を表1に、体質を考慮した代表例を表2に挙げておきます。
表1肝臓病に良いとされている食べ物
食品名 | 四季 | 熱寒 | 食効 |
あさり | 春 | 寒 | 貧血・強肝・増血・体質改善 |
しじみ | 夏 | 寒 | 胆石・貧血・不眠・水腫解毒 |
なまこ | 冬 | 寒 | 酒毒防止・代謝促進 |
味噌 | − | 温 | 解毒・強肝・整腸 |
表2体質を考慮した代表例
熱寒体質 | とった方が良い食品 | 避けたい食品 |
熱タイプ | 昆布・大根・芹・大豆 たにし・はとむぎ | たばこ・アルコール類・砂糖 刺激物・酸っぱいもの |
寒タイプ | りんご・生姜・紫蘇・葱 ごま・栗・人参・クルミ | アロエ・蟹・竹の子・胡瓜 アスパラ・梨・蜂蜜 |
【牛のすすめ】
"食べた後すぐ横になると牛になる"と言うのは、孔子を祖とする儒教の教えです。道徳的な教えはともかくとして医学的にはどうかというとこれが健康上は非常に良いこととも言えるんですね。
体の右側を下にして横になると体全体の血液のうち40%もの血液が肝臓に流れ込むのだそうです。すなわち、肝臓が非常に働きやすい状態になる訳です。
肝臓は物言わぬ臓器として知られているとおり、かなりのダメージを受けるまで音を上げません。
それ故、ついその存在すらないがしろにしてしまいがちです。
しかし、肝腎要というがごとく、一度壊すと厄介なのは皆様御承知のとおりです。
この文章は薬局新聞に連載された原稿をホームページ用に再編集したものです。
大和久式熱寒食事検査法は日本国において特許を賜りました。
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